◆第5回練習レポート
リーデルックランツ通信も、はや5回目。もうすっかり私の指定席のようになってしまいましたが、「リーデルクランツ通信読んでるよ」とか言って下さるメンバーもおられ、益々悦に入っております。もうどうせなので、最後まで続けよう・・・なーんて勝手に決めかかっておりますが、前回のケンちゃんのような視点も新鮮で良いですよね。
さて、今期の練習の始まりは猛暑の8月29日でしたので、既に2ヶ月が経過。定演まで残すところは1ヶ月。ハロウィーンまで一週間。前回、前々回と異なる会場での練習が続いた訳ですが、今回は久しぶりに講堂に戻ってきました。リーデルクランツのフランチャイズホール(?)であります。やはりここの響きは最高ですね。ウィーンフィルがムジークフェラインザールの音響に育まれてきたように、リーデルックランツもこの大講堂と伴に成長してきた・・・と言えたら格好良いのですがねぇ。現実の世界はうるさくて使えない暖房設備と毎度お馴染み、ボロピアノであります。
大学はオープンキャンパスと言う事で、若い方がぽつぽつ散見されます。我がリーデルクランツの練習も見て貰って、来春の新メンバー獲得に結びつけば望外の喜び。見学大歓迎ですよーって呼び込みをやりたいくらいでしたが、50代半ばのオヤジが客引きやっても逆効果でしょうから、止めときました。
さて、今日の練習は第6楽章『地上の祈り』からです。前回(9月25日)の練習で『全体にわたって、限りなく美しい響きで。超レガートに。背筋、腹筋を上手く使って流れるように』との指示を頂いた難曲ですが、本日の女声合唱は「完璧!!」とは言えませんし、音程をもうちょっとしっかり!!って応援したくなりますが、なかなかどうして美しいです。講堂の素晴らしい音響に助けられている面を勘案しても、良いです!!! こうなるとテノールもよりしっかりしなければ、って気合が入ります。個人的には「リーデルクランツ番外編」でレポートしたところの「音声外来」の効果を・・・と、期待したいところですが、こればかりは一朝一夕(もう一週間経ちましたが)に目覚しく改善されると言う訳には行かない様です。
前半部分、志村先生は結構リズムに関して指示を出されます。曰く「食いつき良く」、「リズムに注意して」。そうですね、こう言うレガートな曲って、感情移入する余り、ついつい遅れ気味になります。そうなると、折角の美しい曲調が崩れてしまうと言う事ですね。超レガートで、かつ爽やかに歌い上げたいところです。スポーツやダンスでも優雅な動きの為には余裕の有る筋力と俊敏な運動神経が必要と言いますが、音楽も同じですね。ドタバタしがちな我が歌唱、反省しきりであります。ところで、真央ちゃんはだいぶコケてしまいましたねー・・・って、関係ないか!
曲はコラール風の部分を経て、バスの祈りのパートソロとなります。聴かせどころですが、期待に応えてくれます・・・満点じゃあないけど、良いですよ。
さてさて、この調子で書き続けていると、永久に終わらなさそうなので、先を急ぎます。第5楽章『天地の怒り』 です。この楽章は前回(10月10日)の最後に、兎に角「通した」と言う事で終わった状態です。今回の志村先生の指導は、リズム、言葉、感情表現と言ったところが重点と感じます。まだドタバタ感は払拭できませんが、慣れも必要。音楽を頭に、身体に、叩き込みましょう!この後、第3楽章『死の灰』に移ります。この曲も10月10日に引続きと言うことになります。前回のレポートでは「合唱の体を為して来た」とか、偉そうな事を書かせて頂きましたが、今回も徐々にレベルアップしてきているように感じられます。志村先生の指示も「下3声がソプラノを支える」と言ったようなアンサンブル的な要求だったり、「言葉を大切に」、「恐る恐る、しかし力強く」等の表現的な掘り下げに比重が移って来たようです。まあ、まだ、「音程しっかり!」、「発声が」と言う内容も少なくはありませんが、確実に成長していると言いたいところです。
この後、第4楽章『もぐらもち』を通した後、第6楽章『地上の祈り』を復習。で、最終楽章『大地讃頌』となります。8月29日のレポートで「大地讃頌をさらっと歌って・・・」と書きましたが、あれはウソです。『大地讃頌』を客引き(つまり皆さんを呼び込む為)の道具として使っちゃおうと言う、ワタクシメのセコい虚偽の申告でありました。と言う事で、今回、初の『大地讃頌』となった訳です。
この曲はあまりに有名で、よく言われる「手垢にまみれた」側面が確かにあります。宴会で歌っちゃたりしますものね。でも、今回の練習は、既に5回にわたる志村先生の第1楽章から第6楽章に至る指導を通じて、『大地讃頌』はこう歌いたい、こう言う曲のはずだ、それはいままで余興的に歌ってきたレベルとは異なるものだ・・・・と言う感覚が、多分、私だけでなく、リーデルクランツ全員に舞い降りた瞬間だったように思います。理屈っぽくなってしまいますが、具体的に書くと、デュナーミク(ピアニッシモ〜フォルテッシモ、クレッシェンド、ディクレッシェンド)の取り方だったり、レガート感だったり、腹筋、背筋の安定した支えだったり、美しい響きだったりします。これら全ては既に第6楽章までに頻繁に登場してきたエッセンスであり、声楽に必要な最大公約数である事は間違いありませんが、それらを自然に(板に着いた状態で)表現できると、今までとは全く違った世界が見えてくると言う事かと感じました。
志村先生は「あまりいじりたくない」と仰って下さいました。大変、光栄な事です。また、「この曲だけを取り出して歌うのと、全曲の最後に歌うのとでは全く違います。」とも。仰る通りです。実に感動的です。勿論、これで完璧・・・なんて訳は無いのでして、問題は沢山転がっている訳ですが、再三使わせて頂いている「楽興の時」とは、正にこの瞬間だった・・・と甚く感動した次第です。
志村先生はこのあと、東京混声合唱団のコンサートに参加するために山形県酒田市に出発されました。同合唱団のホームページを拝見しましたら、10月25日から延々と東北、北関東地区で「子どものための優れた舞台芸術体験事業」と言う企画が続くのですね。 ラストは11月17日のさいたま市。本当にご苦労様です。
私はと言えば、本日はヤボ用で練習終了後、そそくさと退散させて頂きました。ので、いつもの「居酒屋レポート」はどなたかにお任せするとして、この辺で失礼させて頂きます。
(川島 靖之)
◆ぱあ散歩
13代ベース渡辺裕紀さん(愛称:パーマorパーマさん)からお寄せ頂きました最新の江古田レポートです。学生時代を過ごした江古田の街がどのように変わったかを知ることができますが、長文のためHPのみに掲載します。