ヘンデルクランツ通信 No8


リーデルけん聞録(10月7日編)

度々の東京行きの出費を節約する為、今回は長野〜池袋間の高速バス(なんと!片道2,500円也)を利用しての上京となりました。車窓からの景色は、稲刈りが至る所で見られ、たわわに実った稲穂からは美味しそうなお米が零れ落ちそうになっています。信州の秋は、その他にも葡萄に梨に林檎に・・・と、美味しい食材豊富ですヨ!

ちょっと余談になりますが、私の実家から歩いて3分足らずの場所には「天然かけ流し温泉 うるおいの湯」(日帰り温泉)があり、週末の私の楽しみは温泉で、のんびりまったりすることです。
((注)全国ニュースでご存知の方もいらっしゃると思いますが、先週末ここのすぐ近くで熊2頭が出没し、1頭は射殺されましたが、もう1頭は現在も逃走中です。)
先日の日暮れのこと。秋の気配を感じながら、のんびりと露天風呂に浸かっていると、辺りは虫たちの大合唱で騒々しいくらいです。すると都会から来たと思われる中年のおじさん曰く

「こおろぎなどの虫がこんなに休みなく(止切れなく)聞こえる訳がない。これは絶対に温泉の裏で、虫の声をスピーカーから流している録音に違いない!」

と仲間と話しているじゃありませんか。思わず私は「エッ!?」と絶句。虫たちは大量にいるので、「リーン♪ (休み) リーン♪ (休み) リーン♪」っていう風に途中にブレスがあるように聞こえる訳ではなく、さながら連続したユニゾンとして聞こえるのは、当地では当たり前のこと。「都会の方には、虫の大合唱って珍しいことなんだ」と新たな発見をした次第です。いろいろな声の秋の虫たちも大合唱になると、まるで荘厳なる宗教曲にさえ聞こえてます。
そうです。私も虫たちになんか負けていられない。高速バスの中でも、ひたすら譜読みの練習、練習、練習です。・・・・・しかし、いつのまにかZZZ・・・

前置きが少々長くなりましたが、練習不十分のまま9月に続き、再び武蔵大学に戻って参りました。前回の参加から3週間しか経っていないのに、大学正門が新しくなっています。車両と人の入り口が分離され、警護が厳重になった気さえします。

さて本日の練習は、超有名な「Hallelujah」と、メサイアのフィナーレを飾るに相応しい「Worthy is the Lamb that was slain」 と「Amen」コーラスです。はっきり言って最終曲は自宅学習していても、なかなか歌えない部分が多くて困っていた曲でしたが、パート練習に続き志村先生の練習が始まるとだんだん歌えるようになってくるから不思議です。遠くから練習に参加した甲斐があったというものです。(志村先生・若月先生、感謝感謝です。)
「Hallelujah」は、前半部分はよく知っている曲だからと言ってあまり頑張り過ぎず、さらっといく感じで、後半に行くに従い、だんだん感極まっていく感じがほしいとのご指導をいただきました。但し、感極まっていく感じと言っても、けっして号泣したりせず、冷静に冷静に!

「Worthy is the Lamb that was slain」と「Amen」は、途中でこけたり、出番を見失ったりしたら一巻の終りです。練習中は、何度もそうしたリスクに晒されてしまいましたが・・・。自分のパートの順番が来たら、決然と入る意志を持って絶対に入りましょう。勿論、音程とリズムは正確に!もうこれは練習あるのみ!川島さん曰く「身体で覚える」しかありません。ここの部分が出来たら、本当に楽しい合唱ならではの醍醐味が味わえるはずです。「フーガって素敵!」「ヘンデルさん、ありがとう!」って、本番では感動したいものです。

甚だ簡単ですが、音楽に関する部分は以上です。今回の難曲練習中は、自分のパートと発声法に夢中で全体考察の余裕は全くありませんでしたので、川島さん、以上でお許しください。

そして、今日も練習が終わると、誰も何も言わなくても、暗黙の了解のもと、いざ第2の部室「鳥忠」へ直行!!
ビールに始まった酒宴はいつしか、日本酒に・・・南部美人に、八海山に、黒龍に、天明に、〆張鶴にと・・・次々と店の一升瓶が空いていきます。明日の航空便で中国に戻らなければならないYさんは、ご覧の通り「八海山命」って感じになってます。
そうそう、Yさんの中国滞在、凄く心配していましたが、Yさんの話を聞いて安心しました。日本のマスコミで報道されている中国とYさんから聞く現実の中国の様子(極めて安全地帯)は全然違っていて、ホッとしました。でも、Yさんにはくれぐれも気を付けて欲しいなぁと、みんな思いましたヨ。

酒席の話は、いつしか5年後の定演の話になります。ハイドンの「天地創造」はどうだろう。ヴェルディの「レクイエム」は?・・・と話は尽きません。でも、私を含めて、50定の時はみんな幾つになっているんでしょう!?(想像したくないよね)

そしてもう一つここである提案が出されます。折角だから独身のダブルYさん同士が、この際結ばれて、ウィーンの○○○で結婚式を挙げ、それに便乗してみんなでウィーンに行って歌おう!!ってな話になりました。でも「結婚式でレクイエムはまずいでしょう」「ウィーンに日本酒はあるのか?」などと、皆の頭の中は既にウィーンを飛び越え、酒浸りの天国へ行ってしまっているようです。もう酔っ払ったおじさんたちは収拾が尽きません。ハチャメチャな話で盛り上がり、笑いころげて、お腹の皮がよじれそうです。
この大盛り上がりの中、私は高速バスの出発の時間が迫り止むなく途中で、「じゃ、また今度」と失礼して、一路長野へと帰ってきました。

漏れ聞こえた話によると、その後カラオケで、さらに弾けてしまった方が多数いらっしゃったようです。

以上他愛もない投稿にお付き合いくださり、ありがとうございました。さて私は、次回いつ練習に参加出来るのでしょうか?

須田賢二


[編集後記]
いつものカラオケは何故か「東京音頭」から始めることが定番となってしまったようです。ヤクルトファンというわけではないのに。それにしてもカラオケの装置も進化していますよね。カラオケでのソロコンサートやリーデル紅白歌合戦なんかを開催するのもいいかもしれません。
そういえばソロコンで初めてカラオケを使ったのは私と同期のT君だったような…。

TongSing