ヘンデルクランツ通信 No6


ヘンデルクランツ通信No6は、はるばる信州より参加された須田さんからのレポート「リーデルけん聞録」をお届けします。


リーデルけん聞録(9月16日編)

久しぶりに足を踏み入れた東京は蒸し暑く、少し歩いただけでも汗ばむジメジメした陽気。地元長野も9月に入った今でも連日かなり暑いのですが、湿度が低いので、東京みたいな暑さではありません。「やはり、信州はいいなぁ!」と一人、郷愁の念を感じつつ大学に向かいます。

武蔵大学正門から入ると、左側には見たことのない近代的な建物がそびえたっています。これが新設した1号館か!思えば経済学部時代を過ごした30年前でも「古い!」と感じた旧1号館で、日夜勉学に励んだことが懐かしく思い出されます(フィクション!?)。今は全面ガラス貼りの近代的な地上4階、地下1階建てに生まれ変わり、屋上には大型ソーラーシステム2機が設置されている他、エコを意識した大量の緑も植えられています。こんな環境の良い場所で勉強出来る学生を、本当に羨ましく思います。

さて、本日の練習場所である10号館に向かうと、数人の諸先輩方が歓談している姿が。「また今年もここに帰ってきた!」と嬉しさがこみあげてきます。練習会場に入り、発声練習に先立って、志村先生のメサイアに対する熱い想いを拝聴しました。定演45回目の節目の年であり、5年間続けてきた合同演奏の集大成となる区切りの年に、ぜひともメサイアを演奏したいという志村先生の強い思いがひしひしと伝わってきます。また、S氏を始め、皆が難色を示す中、その反対を押し切ってメサイアに決定した経緯をお聞きしました。「文句があるなら、全て私に言って欲しい」という志村先生の言葉に、これは覚悟して練習頑張らねばと思ったのは、私だけではないと思います。 そしてまた、今日練習する21、22、23番はキリスト受難の場面で、メサイアの骨格を形成する部分であることから、志村先生がどうしても取りあげたかった旨、合わせてご披露いただきました。

いよいよ各パートに分かれてのパート練習、その後全体練習でみっちりと歌い込みが出来ました。個人的には宗教曲が大好きなので、緊張感がありながらも、心地よい疲労感のある大満足の練習でありました。・・・勿論、音楽的考察はいずれ川島音楽総括から発信されると思いますので、練習部分の報告は簡単ですが、以上とします。

さて、今日のメインイベント OB会総会及び懇親会であります。8号館に移動し、8階50周年記念ホールから見える東京の大パノラマ景色に一同、大興奮であります。ビルの陰に隠れ、話題のスカイツリーこそ見えませんでしたが、「夕闇迫る太陽光に反射して輝く東京のビル群」に総会開始時刻も忘れ、皆、歓声を上げながら見入ってしまいました。夕日に輝く「東京の空」は、郷土愛を自認する私も大好きな景色の一つです。総会は、大内会長ご挨拶・会計報告・今後のOB会体制の計画発表と続き、現役一人一人から自己紹介並びに抱負を述べてもらいました。今年は新入生6名を新たに迎え、ようやく総勢12名となったリーデル団員の数に、今後の更なる発展の予感を感じました。音楽総括と同姓の川島君(音楽総括のご親族ではありません。期待のテノール大物新人です。)曰く「今年は12名になったリーデルクランツを来年は倍の24名にします。」という強い決意表明に、一同、割れんばかりの拍手喝采。大変、頼もしく感じた次第です。我が子(大学生)と比較しても随分しっかりして大人びている現役諸氏、強面のOBの前でも堂々と話が出来るその姿に、リーデルクランツの明るい未来を感じました。

総会も無事終了し、いよいよ懇親会の始まり・始まり!志村先生のご挨拶並びに乾杯の音頭で懇親会が開幕しました。少ない会費の割りには、大量のビールに大量の赤白ワイン!料理は、太巻き・いなり寿司・サンドイッチ・焼きそば・サーモン・スウィーツと酒類に比べれば、適度な量ですが、中高年のおじさん・おばさんたちにとっては、過度なカロリー摂取は禁物。この位の食事量が、ちょうどいいんです。でも飲酒量だけは、長年積み上げた実績に比例するように、いくらでもOKっていう感じです。あちらこちらで、近況報告・昔話に花が咲いております。いよいよ懇親会も終盤。お酒も進み、お決まりの合唱に突入です。志村先生の有り難い指揮で「いざたて戦人よ」「夜の歌」を歌い、本邦初公開(?)となるピアニスト 若月先生の可憐な指揮で「武蔵大学讃歌」を歌い、まだまだ歌いたい気持ちを残しながら、8号館を後にしました。

「やはり、歌い足りない!」・・・そうです。皆の気持ちは一緒でした。大学を背にした酔っ払ったおじ様たちは、何と東京の地理に疎いこの田舎者の私に「ケンちゃん、カラオケボックス探して予約してきて!」と無理を迫ります。昨年の定演後に皆で行ったカラオケボックスを思い出し、15名の予約を取り、何とか面目躍如です。大内会長の「TRUE LOVE」に始まったカラオケは、合唱団の面子にかけた歌合戦のオンパレードです。現役団員のAKB48の曲に比べれば、少々古い歌が多いのは仕方ないとして、「おじさん・おばさんたちは年季が違うんだ!」とばかりに歌いまくります。かくいう私も、この辺から自己陶酔型のカラオケ曲に変わり、「長い夜」「SAY YES」に続き、遂にはさだまさしの「関白失脚」(関白宣言ではありません。男の悲哀を歌ったコミカルソングの傑作です。)まで歌う有り様・・・(反省しきり)

そんなこんなで2時間コースのカラオケを終え、皆、無事帰路に着いた・・・と思ったのも束の間、やはりおじ様たちは年季が違います。一部の方々は、夜のネオンの彼方に消えていきました。かくして、OB会総会は成功裡に終了いたしました。

暑い東京を離れ、戻った信州では、黄金色に光り輝く稲穂の上を、赤トンボが気持ち良さそうに飛んでいます。収穫の秋も、間もなく到来します。
私たちリーデルクランツOB会の実りの季節到来まで、あと残り3ヶ月となりました。集大成となるメサイア演奏成功に向けて、更に精進を重ねて参りたいと強く思った9月の有意義な一日でした。

須田賢二

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[編集後記]
「川島さんのレポートは?」と思われる方もいるかもしれません。ご安心ください。はるばるパリから帰国された川島レポートは「ぱり散歩」としてOB会HPに掲載しました。
それにしても、メサイアはおもしろい(interesting)です。歌詞の中にある背景を(少しだけでも)理解し、「ここはパートのかけあいがあるんだ」「この部分で全パートがスパーン!とが揃うんだ」なんてことが、わかてくると歌う楽しさが増してきます。ご興味(interesting)ある方は練習ノート、練習録音ファイル、ヘンデルクランツ通信をご覧ください。

>須田さん
8号館からスカイツリーは見えるかもです。総会前でちゃんと確認していませんが東側の窓(ステージ後方)から見えたように思います。

TongSing